パレスチナのメインストリートにあるビレッジ・インでは毎朝、巨大な魚がボートのプロペラに見守られながら、農民たちが湯気の立つマグカップに注がれたコーヒーと心のこもった朝食の大皿を囲んで談笑している。錆びた2人乗りの横ノコで作られた背びれ、三輪車のフェンダーのような口、カラフルなボトルキャップのようなうろこ。しかしこのトロフィーは、近くのウォバッシュ・リバーを泳ぐ州の公式魚であるブルーギルと同様、イリノイ州南東部固有の魚なのだ。
地元のガラクタで作られたこの彫刻は、このダイナーでよく食事をするフォーク・アーティストのスティーブ・メドウズによって作られた。彼は言う。"あの大きな何もない壁をずっと見ていたので、そこに飾るために私の魚を一匹あげたんだ"。



集客
1900年代の店構えを復元したスティーブ・メドウズ・フォークアート・ギャラリーや、1901年に建てられたファイフ・オペラ・ハウス、1812年に再建されたフォート・ラモットなど、開拓時代の歴史が色濃く残るこの町は、定期的に観光客をパレスティンに呼び寄せている。この町はイリノイ州最古の町のひとつで、1811年に設立され、国家歴史登録財に登録されている。リンカーン・ヘリテージ・トレイルの一部であるメイン・ストリートと州道33号線の交差点にある納屋の脇には、ゴミ箱のような目をした、アイロン台のような舌を出した巨大な顔が観光客を迎えてくれる。
30年前、メドウズは中西部の都市で働いて得た建築と大工の知識を再利用し、独学で、廃棄された日用品で構成された気まぐれな作品を制作するアーティストとなった。彼は川岸で材料をあさり、地元のゴミ捨て場を掘り、田舎道を走り、サイケデリックなペイントを施したバンで拾い物を運ぶ。古い材木、錆びた機械、銀食器の箱、へこんだフライパンの山が彼の倉庫を埋め尽くし、おがくずとペンキの匂いがする。メドウズはこう指摘する。「ここには価値のあるものは何もない。でも、私はそこからあらゆる可能性を見出して創作しているんだ」。

風変わりなクリエーション
ドアノブの目玉のように、葉っぱの熊手のようなとがった髪、メドウズのキッチンパンのプランジャーの鼻、漫画のような顔。それらは彼のギャラリーに展示され、再塗装された拾った家具、手彫りの動物、ジャンクな宝石で飾られたハート、扇風機の羽根やゼリーの型で作られた花などが売られている。
作品は一点ものだが、ほとんどいつも同じ反応が返ってくる。メドウズは言う。"ほとんどの人が微笑むのは、毎日使ったり捨てたりしているものに新しい見方ができたからかもしれない"。
メドウズの作品は、イリノイ州内はもちろん、遠くオクラホマ州のタルサ・インターナショナル・メイフェストやジョージア州オーガスタのアーツ・イン・ザ・ハート・フェスティバルなどのアートショーでもよく売れている。リサイクル・サンタフェ・アート・フェスティバルのディレクターであるサラ・ピアポントは、「スティーブの作品は、ニューメキシコの裏40区にあるような廃品を使っているので、みんなに愛されています」と言う。
メドウズはイリノイ州ウィローヒルの小さな農場で育った。父は僕たち子供を厳しく働かせた。だから僕は、あれをねじ込み、これを叩き出し、絵の具を撒き散らし、何時間も夢中になって作品を作り、洗濯をし、ダイナーで食事をし、犬を散歩させ、ガラクタ釣りをすることができたんだ。

